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執筆者の写真田村陽太

【第230回】『特別な事情で来日された外国人社員を雇用する際に企業が注意すべきこと①(難民編)』




こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『特別な事情で来日された外国人社員を雇用する際に企業が注意すべきこと①(難民編)』についてお話していきたいと思います。



新型コロナウィルス蔓延の影響もだんだんと落ち着き、多くの外国人が観光等で来日する事も増えてきました。その中でも外国人の自国の政治情勢等で一時的に海外へ滞在する必要が出てきて、日本へ難民申請をされる方も増えています。



本日は、そのような事情で来日されている難民申請中の外国人社員を雇用する際に企業が取り組むべき事項や外国人本人から確認すべき資料や面談時に聞くべきこと等をお話ししていきたいと思います。



【まず知っておくべきこと】


難民申請で来日された外国人については、在留期間が1年等、短く決められている事が多いです。また、日本での在留資格を得た後時間が経ってから自社の面接に来る場合もあるため、実際に採用面接をする際には日本での在留期間がほんの少しだけだったという可能性もあります。



その為、雇用契約を締結する上では、長期的な雇用を見据えた業務内容ではなく、簡易なお仕事や、臨時的なお仕事(季節柄のお仕事や、当該事業年度に関連した業務等)での業務分担を行う必要があります。



【外国人を雇用する際に必ず確認すべき資料】



①    在留カード

②    指定書


となります。



在留カードには、当該外国人がどのような理由で日本に滞在しているかの在留資格や、いつまで日本に滞在できるかの在留期間(満了日)等の、当該外国人が日本に滞在している理由が事細かく書かれています。



その為、まず事前に在留カードの原本を確認する必要があります。また難民申請中の方であれば在留資格が「特定活動」である場合が多いです。その為、日本での特定活動がどのような内容であるかを具体的に説明したものが「指定書」となりますので、必ず確認する事が重要です。



その指定書には、



・日本での活動においてどれ位(週〇時間)就労して良いのか

・どのような業務であれば就労できるか


についても別途記載されているので、必ずチェックしましょう。



【雇用を行う上での注意点】



難民申請中の方に関しては、指定書の記載上、留学ビザとは異なり、原則週28時間の制限はなくフルタイムでの就労が認められる場合が多いです。ただ、難民申請中の外国人も日本人の雇用と同様、週の労働時間の過多によって社会保険に加入する必要が出てきますので留意が必要です。



その為、必ず週で勤務する労働時間や加入する社会保険の種類に関しても事前に当該外国人に確認して、雇用契約を行う事が重要です。また、当該外国人が他のアルバイトと掛け持ちで勤務している場合は副業での雇用の際の注意点も意識する必要があります。



例えば、本業と合算した就労時間での時間外割増賃金の支給の有無や、支払う給与から控除すべき源泉所得税の額やその額の納付をどうするか等です。また、副業を行う上での秘密情報漏洩防止に関する誓約を事前に行うかどうか等も確認しておきましょう。



【面談時に聞くべきこと】



上述の雇用を行う上での注意点を参考に、週で勤務できる労働時間や副業の有無を確認するのも重要ですが、またそれ以外に重要な事としては、学歴や職歴を聞くことです。



理由としては、一時的に日本での滞在を許可された方が自社で就労する際に持つべきスキルや素養があるかどうかをフィルタリングする事が、雇用する会社や日本社会での治安維持上非常に重要だからです。



その為、最低でも履歴書を提出するよう求めることが重要です。履歴書を見る事で日本語のスキルも分かりますし、万が一当該外国人と連絡が取れなかったり、雇用に関するトラブルがあったりした際にも、事前に外国人本人から雇用する上で最低限知っておくべき身辺情報を収集しておく事で、第三者に企業が安全配慮義務を遂行していた事を示すことが出来る為重要です。



本日は『特別な事情で来日された外国人社員を雇用する際に企業が注意すべきこと①(難民編)』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話ししていきたいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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