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執筆者の写真田村陽太

【第237回】『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法③』



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法③』についてお話していきたいと思います。



前回は【「評価制度」と「賃金制度」の意義】として、



【評価制度】


(意義)

①従業員の日々の業務の意欲向上

②公平性の担保

③職場の透明性を醸成


【賃金制度】


①信賞必罰制度の醸成

②責任回避型の風土を無くす

③人件費の適正化を促す


があるというお話をしました。今回は【賃金制度】の意義①からお話していきたいと思います。



①ですが、会社運営上、非常に重要な風土作りの一つである「アメとムチ」のルールを社内に徹底していく上で、賃金制度の設計・構築は非常に重要な対応事項だという事です。



日本の労働法では、給与額の引き下げには従業員の合意を得る、またはその労働条件の変更には合理的な理由が必要である事が労働契約法の条文上に記載されております。



労働契約法第8条


「労働契約は、労働者及び使用者が合意することによって、その内容を変更することができる。」


労働契約法第10条


「使用者が就業規則を変更することにより労働契約の内容を変更する場合において、その変更が労働者に周知され、かつ、その変更が合理的なものであるときは、当該労働契約の内容は、当該変更後の就業規則によるものとする。」



従業員の数が増えてくれば来る程、従業員一人一人との労働契約の締結や変更に関する説明は難しくなりますし、また従業員それぞれ異なった労働契約内容や労働条件を締結して管理していく事は、自社の労務管理を煩雑にさせる要因となります。



その為、労務管理を行う上で重要なのは、就業規則や賃金規程上に、従業員の給与や処遇がどのような条件の下変更されるかを事前に規定しておき、そのルールに基づいて従業員各自の給与等の処遇を決定する事だと私個人的には思います。



自社の就業規則や賃金規程で給与変更等のルールを規定する上で、合理的な内容で運営していく為に重要な事は、その会社の実情を初めて聞いた「第三者」が見たり聞いたりしても、その就業規則と賃金規程が公正かつ平等に運営されている事が分かる事が非常に重要です。



私個人的に考える合理的な指標としての具体例は、例えば、



・就業規則や賃金規程に昇給や賞与等の要件が詳しく記載されている

・評価し、賃金として反映する際の項目が明確に記載されている

・企業側だけの評価ではなく、従業員側も正当に頑張る事で確実に評価される仕組みである



以上が重要であると個人的には思います。要は、会社の恣意的なタイミングにより昇給・降給が決定される仕組みではなく、会社が事前に従業員に対して定めた目標の結果によって、昇給・降給が決まる「公正」な仕組みを作る事が重要だと個人的には思います。



そうする事で、会社の評価の仕組みとして、自ずと評価されるべき成果を出していたり、模範となる行動をしていたりする方が評価され、そうではない人は評価されないという「アメとムチ」を徹底した信賞必罰な会社を設計する事に繋がります。



少し脱線しますが、今は働き方改革や人手不足と言われ、会社側よりも働く側が有利な条件で働く事が出来る世の中になってきています。



そのような有利な条件で働くことが出来る慢心等から、一方で従業員自身のモラル低下や就業意欲の低下について叫ばれる事も増えてきているなと、このような人事労務のお仕事をしていて個人的には感じます。



会社側もすぐに従業員を採用したいという気持ちはありますが、本来会社と従業員は互いに対等な関係ですし、従業員に働きやすい環境を作ることが、その会社で働く従業員としてベストな姿に成長していくかと言うと、必ずしもそうならないと個人的には思います。



私個人的に願うのは、すべての従業員を雇用する会社が就業規則や賃金規程を整備し、どの従業員がどの会社で働いても、会社と従業員が対等な意識かつ対等な権利義務を履行する責任を負って働いてくれる世の中です。



そういった世の中を作る事で、会社で働く大事な戦力としての従業員が企業成長と共に成長してくれますし、会社間での労働力移動が今後活発化していく中でも、どこでも戦力となる従業員を採用できる事に繋がると思っております。



このような社内の風土を築いていくための第一歩として、賃金制度の設計・構築は非常に重要だと個人的には思います。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法③』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話ししていきたいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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