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【第247回】『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事➃』

執筆者の写真: 田村陽太田村陽太


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事➃』についてお話していきたいと思います。



前回までは【2025年中に予定されている育児・介護休業法の改正】として以下があると説明させて頂きました。



(1)子の看護休暇の拡充

(2)所定外労働の制限

(3)育児のためのテレワーク導入

(4)短時間勤務の代替措置

(5)育児休業取得状況の公表義務

(6)介護休暇を取得できる労働者の要件緩和

(7)介護離職防止のための雇用環境整備

(8)介護離職防止のための個別の周知・意向確認等

(9)介護のためのテレワーク導入

(10) 柔軟な働き方を実現するための措置の義務化

(11) 仕事と育児の両立に関する意向聴取・配慮の義務化



今回は続きの(8)から、お話していきたいと思います。



そして、次に介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供を行う必要が出てきました。40歳を迎える日の翌日から1年間もしくは、40歳を迎えた年度1年間に会社は介護休業制度等に関する以下の事項について従業員へ情報提供をしなければならなくなりました。



① 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容)

② 介護休業・介護両立支援制度等の申出先

③ 介護休業給付金に関すること



団塊世代が75歳を迎え、2025年時点で要介護認定者が682万人、2040年には要介護認定者が約800万人に達すると予測されています。



その介護対象者を介護する側の従業員の年齢がおおよそ40代位だと考えると、この法改正を行う事で、従業員が介護と仕事の両立を行いやすくなる第一歩になると個人的には思います。



次に(9)ですが、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、会社で努力義務化されます。



通勤により、時間的拘束を余儀なくされる事で、介護時間量の減少や通勤によるストレスでの介護の質等の低下を防ぐために、企業にテレワーク導入を促すよう法改正されたのだと個人的には思います。



次に(10)ですが、会社は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、以下5つの選択し、2つ以上の措置を選択して講ずる必要が出てきました。また、会社が講ずる措置を選択する際、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要もでてきました。



① 始業時刻等の変更

② テレワーク等(10日以上/月)

③ 保育施設の設置運営等

④ 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)

⑤ 短時間勤務制度



その会社が選んだ中2つから、従業員は一つを選び、就業することが出来るようになりました。



そして、3歳未満の子を養育する労働者に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、事業主は柔軟な働き方を実現するための措置として上記①~⑤で選択した制度(対象措置)に関する以下の事項の周知と制度利用の意向の確認を、個別に対象従業員に行わなければならなくなりました。



(1)事業主が上記①から⑤の中で選択した対象措置(2つ以上)の内容

(2)対象措置の申出先

(3)所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度



3歳以降保育料が無償化となり、子供を保育園等に預けながら勤務がしやすくなる制度が整備されている一方、勤務する会社で長時間残業になったり、休みがとりにくかったり、あるいは終業時間の融通がききにくかったりする方もいらっしゃいます。



そういった育児と仕事の両立が難しい等の理由から、退職等で仕事を継続できない方がワークライフバランスを達成できるよう企業に促すため、今回の法改正がされたのだと思います。



次に(11)ですが、会社は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と、労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する以下の事項について、労働者の意向を個別に聴かなければならなくなりました。



① 勤務時間帯(始業および終業の時刻)

② 勤務地(就業の場所)

③ 両立支援制度等の利用期間

④ 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)



そして、上記①から➃を聴取した労働者の仕事と育児の両立に関する意向について、自社の状況に応じて、従業員の働き方に配慮しなければならなくなりました。



特に、育児と仕事を両立しながら生活する従業員の一番ネックとなる事項でよく聞くのが、「②勤務地」の部分です。たとえ通勤時間が電車等30分の会社でも、行き帰り含めた拘束時間で約2時間拘束される事もあります。



勤務終了後、時間的身体的にも疲弊した状態で、家庭での育児を行う事は難しく、自身の仕事にも悪い影響を及ぼすことは避けられません。



そういった育児と仕事共に生産性向上が達成出来るように、上記のように育児を行う従業員に配慮を行う事は非常に重要な事項だと個人的には思います。



(1)から(9)に関しては2025年4月の法改正、(10)(11)に関しては2025年10月の法改正となります。早いうちから会社でこれらの育児・介護休業法分野の改正部分に取り組むことが出来るよう準備を行っていきましょう。



本日は『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事➃』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話ししていきたいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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