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【第251回】『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事⑧』

執筆者の写真: 田村陽太田村陽太



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事⑧』についてお話していきたいと思います。



前回は【③障害者雇用促進法の改正】についてお話させて頂きました。今回は【➃高年齢者雇用安定法の改正】についてお話させて頂きます。



【➃高年齢者雇用安定法の改正】ですが、こちらは改正というより、2025年3月31日で、高年齢者雇用確保措置の経過措置が終了になるというお話になります。



まず、高年齢者雇用確保措置とは高齢化が進む中で働く意欲のある高齢社員が安定して働ける環境を整えるための措置の事を言います。各企業で対応が必要になる高年齢者雇用確保措置とは以下の3つの事を言います。



(1)定年制の廃止

(2)65歳までの定年の引き上げ

(3)希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入



の3点です。労働力人口の減少と高齢者の安定的な雇用確保を目的として、今まで高年齢者雇用安定法が整備されてきました。



(3)については、会社と従業員代表での労使協定の締結により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた会社は、経過措置として継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められていましたが、その経過措置が2025年3月31日をもって終了します。



今まで2013年から段階的に継続雇用制度の対象年齢が引き上げられてきましたが、2025年4月1日以降は、全企業65歳までの継続雇用が義務付けられるようになりました。上記(1)~(3)のいずれかの方法にて、希望する従業員が65歳まで勤務できるように企業は社内制度を整備し、高齢社員の雇用対策を行わなければならなくなりました。



2021年4月からは、定年が65歳以上70歳未満に定めている会社、あるいは継続雇用制度を導入している会社は、70歳まで雇用できる為の措置を講ずるよう努める必要が出てきました。



これらの対応に関しては、現時点では各会社の努力義務とはなりますが、いずれ高年齢者の増加と生産年齢人口の低下により、企業での人材確保を進めるために、企業での70歳までの雇用確保が義務化される社会になっていくであろうと私個人的には推測しております。



話は戻りますが、その為、この3月で高年齢者雇用確保措置の経過措置が終了になったのを機会に、いずれ訪れるだろう高齢社員の雇用に向けた社内環境整備を企業で行っていく事が重要になってくると思います。会社の対応例として、例えば、



・高齢社員の就業意欲調査を社内で行う

・高齢社員が継続勤務したり、社内で定着したりできるような賃金制度や就業規則の整備

・高齢社員が働きやすいような就業環境の整備(オフィス環境整備/高齢者の働き甲斐作り)



を行っていく事が非常に重要だと個人的には思います。またいずれかの回で、高齢社員の雇用を企業で行っていく際に必要な事をお話ししていきたいと思いますので、楽しみにしておいてください。



本日は『2025年労働法関連法改正と企業の労務管理で対応すべき事⑧』についてお話させて頂きました。今までの全8回の連載で2025年の雇用関連の法改正についてまとめさせて頂きました。



いずれの法改正内容に関しても、各企業が自社での人材確保を円滑に行う事が出来、かつ、万が一社内人材が離職等で流出したとしても、新たに従業員を企業で採用する際に即戦力となれるよう社内環境を整備していく事を、国が推進していきたいという思いが読み取れたのではないかと思います。



このような法改正内容に対して、企業の経営層や人事部は最低限着手しなければならない事項を迅速に対応する事はもちろん重要だと思います。



ただ、このような法改正の人事議題について社内で対話する事をきっかけに、企業の人材確保戦略をどう行っていくべきか、採用や定着、そして社内教育についてどのように向き合っていくべきかを話しあうきっかけとなれば良いなと個人的には思います。



今回の雇用に関する法改正に関する労務管理のご相談等、労務顧問のご依頼等いつでもご相談お請けしておりますので、お問合せフォームからご連絡をお待ちしております。






執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



社会保険労務士事務所Sun&Careerホームページはこちらです。



インターネットラジオ・ポッドキャスト番組「企業と従業員の働き方を考える 『社労士ラジオ  サニーデーフライデー』」のリンクはこちらです。



社労士労務顧問、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター、ポッドキャスト番組制作等のご依頼はお問い合わせフォームまでご連絡ください。




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