【第255回】『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?①~』
- 田村陽太
- 4月18日
- 読了時間: 4分
更新日:2 日前

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?①~』についてお話ししたいと思います。
自社で従業員を採用したものの、
- 最近、なんだか元気がなさそう…
- 話しかけても、当たり障りのない返答しか返ってこない…
- 指示されたことはこなすが、上司への提案や積極的な働きかけが見られない…
このように、「社員のやる気が感じられず、マネジメントが難しい」というお悩みをよく伺います。
会社が従業員にやる気を持って働いてほしいと願う理由は、例えば以下のようなものです。
- 就業時間内で積極的に業務に取り組み、効率よく働いてほしい
- 自発的に発言し、周囲とのコミュニケーションを活性化させてほしい
- 次世代のリーダーや管理職を目指して、さらなる成長を遂げてほしい
つまり、働くことにやりがいを感じ、会社とともに成長する意欲を持ってほしい、というのが多くの企業の思いだと思います。
そこで今回からは、「従業員のやる気を高めるには、会社としてどのようなマネジメントが必要なのか?」また、「やる気を引き出すために、従業員側に求められるスキルや姿勢とは何か?」についてお話ししていきたいと思います。
まず、社員のやる気を高めるために、会社側として大切なことは私なりに3つあると考えています。
① 上司からの指示や業務内容について、目的や背景をしっかりと伝えること
② 指示した業務の進捗や成果に対して、必ずフィードバックを行うこと
③ 現在の立ち位置と今後の目標(「今」と「未来」)を都度明確に示すこと
まず①についてですが、管理職やリーダーが業務の指示を出す際には、「なぜこの業務を行うのか」という理由や目的を明確に伝えることが重要です。
その理由は主に2つあります。
- 今の仕事が、自分や会社の成長にどの程度つながっているのか、従業員にとっては関心の高いポイントであるため
- 自分が目指すべき上司像(管理職やリーダー)が、目的意識を持って働いているかを部下は観察しているため
今は「売り手市場」の時代です。
働く側にとっては転職がしやすく、「今の会社で成長できない」と感じたり、「誰でもできるやりがいのない仕事」しか与えられなかったりすると、他社に移ろうと考える人も少なくありません。
だからこそ、会社が従業員に伝えるべきメッセージは、
「この仕事をお願いしたいのは、あなたに成長してほしいと本気で思っているから」
「この仕事を任せたいのは、他の誰でもなく、“あなた”だから」
といった、「特別感」や「唯一無二感」を伴ったものにすることが大切です。
業務を依頼する際には、目的や背景を丁寧に伝えるよう、上司やリーダーは意識していくべきです。
また、従業員から見れば、上司や管理職の働きぶりそのものが、日々の「やる気」に影響します。
どんなに本人が努力していても、その成果が必ずしも評価や昇進に反映されるとは限りません。
だからこそ、直属の上司やリーダーが、将来自分がなりたい姿であるかどうかは、モチベーションに大きく関係するのです。
逆に、目指すべき姿になっていない上司のもとで働くと、部下のやる気は一気に失われてしまいます。
「この仕事にはどんな意味があるのか」「なぜこのタイミングなのか」といった目的意識を伝え続けることは、管理職やリーダーが“将来なりたい姿”として映るために欠かせない姿勢だと感じています。
本日は『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?①~』についてお話ししました。 次回も引き続き、続編をお届けしたいと思います。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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