こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『海外駐在員のモチベーション維持は、個人向け支援だけでなく企業向けにも支援していくべき理由③』についてお話していきたいと思います。
今回も続編で弊社が海外駐在員という『個人』向けの支援だけでなく、海外駐在員を雇用する『企業』向けの支援に力を入れているかの理由ついてお話していきたいと思います。
前回のおさらいですが、その理由としては大きく3つあります。
➀海外駐在員自身で悩みや問題点を異国で抱え込まないようにするため。
②海外駐在員制度を継続させる為に知見やノウハウを社内にフィードバックする必要がある為。
③海外駐在員の悩みは個人的な問題だけでなく、属する企業等組織的な問題が関係する為。
今回は②の続きから深掘りしてお話していきたいと思います。
派遣した駐在員が置かれている現状を詳しくヒアリングし、それを日々改善できるよう海外駐在員が働きやすいような制度設計を進める事がとても重要です。また、それを改善した結果、駐在員の働きぶりがどのように変化したかを細かくチェックする事も非常に重要です。
例えば、週ごとの定期ミーティング時に駐在員の声色や表情を確認して健康チェックしたり、週・月おきに決めている達成目標がどこまで進んでいるかをチェックしたりする事等で確認する事も重要です。
つまり、一番大事な事は「日々海外駐在員の様子を日本本社が把握できる状況を作る事」が重要です。どうしても海外駐在員の仕事は普段日本本社から目に見えない仕事であるからこそ、普段の状況が日本本社に入ってこず、会社にとって良い事、悪い事等「何か一大事」の時にだけ海外駐在員の仕事ぶりが分かるような環境になりがちです。
そういう一大事の時だけでなく、何気ない日々の出来事や普段の仕事ぶり等ささいな事でも構わないので、普段から日本本社として海外駐在員の様子を把握しておく事が非常に重要です。
そのためには、日本本社のマインドとしては、海外駐在員をただの「海外事業担当」として見るのではなく、会社全体のグローバル事業を担ってくれる「キーパーソン」として見る事が非常に重要かと思います。
派遣された海外駐在員が働きやすい環境を作る事によって、日本本社として海外事業を円滑に進めるためにはどのような点が重要であるか等への知見やノウハウが貯まり、次の海外駐在員を派遣する際にも、あらゆるリスクを予見しながら海外事業体制を築く事が出来ます。
そのような海外駐在員を派遣する際に一生懸命である会社の姿勢は、海外駐在員として派遣される従業員としても安心して海外で働けるという気持ちに繋がり、結果的に海外駐在員は円滑に海外事業の業務を遂行できると私個人的には考えております。
③海外駐在員の悩みは個人的な問題だけでなく、属する企業等組織的な問題が関係する為。
今までのお話でも十分に挙げてきましたが、海外駐在員は海外事業を攻略する為の中枢的な役割を果たす「経営者的」責任が与えられる一方、会社全体で海外事業を推進していく際の情報収集を行ってもらう等、日本本社の指揮命令を受けて仕事を行う「従業員的」責任の両方を行わなければならないという側面があります。
経営者の役割には、やるべき目標を定めてそれに向けてチーム含めて動いてもらうという、いわゆる「統率性」が必要です。一方、従業員の役割には、チームから与えられた目標や意図を的確に理解し、その指示通りに働くといういわゆる「従順性」が必要です。
つまり日本国内の会社で考えてみると、「管理職」のような仕事が求められるのですが、この「統率性」「従順性」というベクトルが違う2つの力を上手く駆使し、海外での業務を行っていくという所が海外駐在員の仕事の非常に難しい所だと私個人的には考えております。
本日は『海外駐在員のモチベーション維持は、個人向け支援だけでなく企業向けにも支援いくべき理由③』についてお話させて頂きました。次回も続編で③の続きからお話していきたいと思います。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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