こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『中小企業の人事部がやるべき業務やミッションとは？～④』についてお話していきたいと思います。本日は続編で、中小企業の人事部が行うべき業務や必要となる能力やマインド等について中心にお話していきたいと思います。
前回までのニュースで、人事部の採用部門と労務部門での業務内容の概略やどのようなスケジュールで1年間を過ごしていくかの流れについてご理解頂けたかと思います。
本日は人事部で働く方が持つべき能力や、素質・性格等のマインド面で重要な事をお話していきたいと思います。今後部署異動等で会社の人事部で働くことになった方や、これから大学等の学校を卒業されて、新卒で会社に入社する事になった方等が、人事部で働く上でお役に立てるお話が出来ればと思います。
私個人的に考える人事部で働く方が持つべき素質としては以下が挙げられるかと思います。
① 秘密事項や重要事項等を外部に漏らさない、守秘義務事項をしっかり守る
② リスクの予知やトラブルの発生の影響を最小限にする選択肢を迅速に出せる
③ 誰よりも「人」に関して興味があり、何よりも「人」が好きである
この3つが大事であると考えます。
まず①ですが、人事部で働く方の素質として、秘密事項や重要事項等、他者が指定した特定の重要な情報を、その他の他者に勝手に漏洩しない人、一言で言うと「口が堅い」人であることが重要だと思います。
人事のお仕事は、社内の人材確保や従業員の就業意欲向上、そして会社の重要人材へと成長させるための教育や異動等の人材戦略構築等、会社で働く「人」に関するサポートを全般的に行う、いわば非常にチャレンジングで、センシティブなお仕事です。
他の部署の社員では通常知りえない守秘義務事項に関しても、特別な役職や肩書を所持していない一般社員でも、人事のお仕事をしていると知る機会が多いです。例えば、給与額や人事評価の査定結果、各部署の人事異動希望案等が挙げられます。
また従業員が所属している部署の方にはあまり直接相談することが出来ない、労務に関する事項に関しても人事部が最初の相談窓口としてお話をお聞きすることが多いです。例えばセクハラやパワハラ、マタハラ等のハラスメント関連や、リベートやキックバック、横領や着服等社内の他の従業員が行う不正行為を報告する上での「内部通報窓口」や「ホットライン」に人事部がなるケースもあります。
よって、一人一人の従業員にとって他者に漏洩されてほしくない情報を初期対応でお聞きし、今後社内の大きなトラブルとして発生させないように処理することが人事部には求められます。
そのため、むやみに不特定の外部の人に秘密で相談された情報を漏洩したり、相談された内容を担当の上司や部署に相談・報告せず無視したりする等の行動をすることは人事部の行動として宜しくないと思います。
人事部で働く方のふるまいとして大事なことは「広く浅く社内の従業員と付き合うこと」、そして「言うべきことはしっかり言う等、公明正大でいる事」が何より重要だと私個人的には思います。
人事部で働く方が、普段の仕事の様子でも特定の社員と仲良くしていたり、役員や他の部署に対して媚びたり、ゴマをすったり等のへりくだるような様子で働いているのを見ると、いざ従業員が人事部に相談しようとする時にも「私の相談を大事に扱ってくれないのではないか？」と相談することをためらってしまう事にも繋がりかねません。
特定の社員とばかり付き合うのではなく、どの部署の社員とも普段からまんべんなく接する事がとても重要です。まんべんなくコミュニケーションを取るのが難しいのであれば、ある意味社内のどの従業員からも「付き合いが悪い」と思われるくらい、ドライにコミュニケーションをとれる方が人事部として働くのにふさわしいと個人的には思います。
また良いことは良いと褒めたり、一緒に喜べる一方、悪いことは立場関係なく相手に悪いと伝えたり出来る等、社内でどの方にも対等に堂々とふるまえる方こそ、人事部で働く方の素質として重要であると私個人的には思います。
本日は『中小企業の人事部がやるべき業務やミッションとは？～④』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話していきたいと思います。
執筆者：田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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