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執筆者の写真田村陽太

【第238回】『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法➃』



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法➃』についてお話していきたいと思います。



前回は【「評価制度」と「賃金制度」の意義】として、


【評価制度】


(意義)

①従業員の日々の業務の意欲向上

②公平性の担保

③職場の透明性を醸成


【賃金制度】


①信賞必罰制度の醸成

②責任回避型の風土を無くす

③人件費の適正化を促す



があるというお話をしました。今回は【賃金制度】の意義②からお話していきたいと思います。



②ですが、賃金規程を会社で設計・構築する事で「コミットしたことを必ず行動に移す」という風土作りを行う第一歩に繋がる為、非常に重要な事だと思います。



例えば、「次にあの大規模プロジェクトに参加してもらうぞ」とか「次期課長に就任も近いぞ」とか従業員の日々の就業意欲を高めるために、日々のコミュニケーション等で何気なく伝えてしまい、実際そういう結果にならなかった時に従業員ががっかりするという事例は良くあると思います。



しかも、期待させられた従業員の方は、そのことをずっと根に持っていますが、期待させた方の上司は、自分が言った事を全く覚えていないという悲劇はよく聞きますよね。



こういった風土が根付いていくと、従業員が日々仕事を行う上で、「日々の事に期待しないで働こう」とか「淡々と上司から言われた事のみ働こう」というような、「無難」に働く従業員が増え、会社の士気が下がる一因に繋がります。



従業員の就業意欲の低下の一因として、給与・処遇があまり良くないという衛生要因も多少影響しているかと思いますが、一番大きいのは「一生懸命頑張っても報われないのではないか」と従業員自身の自己成長を止めてしまう会社の風土を作ってしまう事だと私個人的には思います。



その為、賃金規程をしっかりと社内で設計・構築する事で、会社から従業員への期待を伝え、表現する明確な受け皿を作る事に繋がり、従業員自身が安心してかつ前向きに働く事に繋がると個人的には思います。



次に③ですが、会社が経営を行っていく上で必要とする人件費を適正に使用していく風土を作っていく上で非常に重要です。



本来、会社で従業員を雇用する際の判断基準は単に「日々やることが多くて忙しくなったから」や「自分の経営者としての時間が取れなくなったから」という事ではなく、会社の売上に対して割くべき人件費が適正なのかという『労働分配率』から判断する事が重要です。



会社が計上している人件費が売上に対して比重が大きい場合は、会社の売上を高めるか、人件費を削減するしかありません。単に人件費を削減する事を考えるのではなく、会社の売上が高まる事に貢献している部署や従業員に対して、人件費の支給を手厚くする事を考える事が非常に重要です。



つまり、会社の事業運営上、不採算となっている事業に従業員を非効率に使用していないか、採算事業となっている事業に従業員が不足していたり、適切な従業員が配置出来ていなかったりしていないかを常に経営層は考える事が重要です。



この賃金制度を設計・構築し、運用していく事は、自ずと自社のそれぞれの部署の従業員に対して支給している人件費が適正かや、個々の従業員の頑張りが会社が目指すべき目標に対して相当程度であるかをチェックする機能を構築出来るため、非常に重要だと個人的には思います。



賃金制度構築のキモは、従業員の何を評価して賃金に反映するかの「内容」ではなく、会社全体で働く従業員と一緒に人件費の適正化を点検し合うという「チェック機能」作りだと私個人的には思います。



賃金制度を設計・構築する事で、少なくとも半年に1回や年に1回会社全体の事業運営が適正であるかを全社でチェックできます。そうする事で、会社で働く従業員の就業意欲を引き締めたり、日々しっかりと働いてくれる方を増やしたりする事に繋がる為、非常に重要だと私個人的には思います。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法➃』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話ししていきたいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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