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執筆者の写真田村陽太

【第4回】外国人を企業で雇用していく為に(①在留資格について理解する)



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。


本日のテーマは「外国人雇用をこれから行っていく中で重要な事」をお話させて頂きます。



外国人雇用を行っていきたいと考えている企業の皆様の中の、多くの動機は


①従業員を採用したいが、求人募集をかけても人が集まらないから。

②これから海外に事業展開したいが、社内人材の中に海外事業に長けた人材がいないから。


以下の2つが代表的かと思います。


「だからこそ外国人社員を雇用したい!」という企業のモチベーションは、①→②の順で高くなり、高くなればなる程、優秀な外国人社員を雇用したいという動機付けや、外国人社員を雇用するための念入りな準備も必要になります。


本日は自社の人材不足の為に外国人社員を雇用したい、①の企業に向けた企業としての取り組みや今から行っていくべきことをお話していきたいと思います。そのためのステップは以下の手順となります。



【①外国人社員が日本に在留できるしくみを理解する】

【②外国人社員に任せたい業務内容を考える】

【③求人募集をかける】

【④採用面接を行う】

【⑤雇用契約を結ぶ】

【⑥必要に応じて在留資格申請を行う】

【⑦外国人社員が勤務しやすい環境を整備する】

【⑧実際に勤務をしてもらう】



【①外国人社員が日本に在留できるしくみを理解する】


日本では日本国籍を取得する上では血統主義を採用しており、出生した際に親のどちらかが日本国籍であれば日本国籍(日本人)となります。親のどちらとも外国籍であればたとえ日本で出生したとしても日本人にはなれません。つまり、海外の国籍を持つ方は日本に滞在しようとした時に無条件に滞在できることは出来ません。


つまり、日本に滞在するための資格を取得しなければなりません。これを「ビザ申請」するといい、入国した後にその外国人が滞在できる証明を「在留資格」と言います。


コロナウィルスが流行する前は、多くの外国の方が日本に観光に来ていました。これは「観光」という在留資格を、日本に来る外国人が事前にビザ申請して取得しているから在留できるわけです。(国によっては不要な外国もあります)


観光目的での滞在であれば、比較的短期間の滞在で、旅行が終わればいずれは自国に帰る事が前提なので、その外国人は日本で仕事をする事はできません。日本で仕事をしたいのであれば「就労できる」在留資格を取得しなければなりません。



ただこの外国人が日本で「就労できる」在留資格は、そう簡単に取得する事ができません。

理由としては2つあります。一つは日本の治安維持の問題です。


日本で生まれた日本人は日本で住む上で必要な共通語である日本語を流暢に話し、日本の伝統文化を理解し、地域ならではの風習を知り、日本で住む上でのルールや常識を身に着けています。日本語が流暢に話せる外国人や日本の文化・風習を好み比較的それらを理解している外国人もいますが、完全に日本を知り尽くすのには限界があります。就労するという事は働くだけでなく働くために食事をしたり、寝たりなど「生活」することが付随してきます。



日本人が生活する上で当たり前のことが、外国人にとっては当たり前ではないという事も多くあります。そのような意識の違いが、生活や行動様式の違いに繋がり、日本の社会でのルールや規律を乱してしまい、ごみ問題や犯罪、麻薬の密売など、日本社会の治安が維持できなくなることに繋がってしまう恐れがあるため、在留資格申請の難易度を上げているのです。


もう一つの理由としては、日本人の就業機会を守るためです。



約1億2600万人いる日本国民が自由に職業選択をし、就労する事が出来る機会を確保する事は、永年にわたって日本で住み、日本の文化や伝統を継承するための国力を維持する上でとても大事な事です。


簡単な条件で外国人に就労させて日本人の仕事を奪う事がないように、外国人が日本で就労できるための条件としては、比較的人手不足の業界かつ今後も需要が高まり、日本人社員のみで雇用を維持する事が難しい職種や、日本人では対応できないような国際的な文化や技術が要る高等な技術職というように限定されております。


このような前提を理解した上で、次に大事なのが自社で外国人に就労させる業種や職種が、在留資格として認められているのか、日本人では出来ないような職種なのかを社内で考える事です。


文量の制限が来てしまいました。次回に続きをお話したいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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